MIETAって何ができるの?

決算書は見ないほうがいい!?

MIETAを導入すれば、得意先別や担当者別の情報が把握しやすいことは解りました。それでは、こうした情報を把握したうえで、経営者の方は何をすれば良いのでしょうか。
良い取引があれば、それと同じ方法で何度でも取引をしてください。また、逆に悪い取引があれば、二度としないように周知徹底してください。
それはそうなんですけど……何か当たり前過ぎて……もう少し詳しく説明して頂けますか。
経営をする上で守らなければいけない鉄則は二つしかありません。
「安く仕入れて高く売る」「入金は早く、出金は遅く」
この二つが徹底されていれば、必ず会社は成長します。
どちらか一方ではなく、両方成立している必要があります。
それも当たりまえだと思いますが……。
それでは例を出しましょう。
例えば、パソコン100台を1万円で仕入れて15万円で売るとします。
結局1台しか売れなかったとしたらどうなりますか。
1台しか売れなければ、85万円(15万円竏鈀100万円(100台×1万円))の損失です。
いいえ。売れた分しか仕入代金を払わなくて良ければ14万円儲かります。
初めての不正解ですね(笑)
少し、意地悪な質問をしてしまって申しわけありません。事例は極端でしたが、「安く仕入れて高く売る」ことに熱心でも「入金は早く出金は遅く」には無関心な経営者の方が多いことを知って頂きたいので、ご質問させて頂きました。キャッシュ・フローに無関心な経営者の場合、「15万円くらいで売れるパソコンが1万円で仕入られる」と聞いただけで、1,400万円((15万円竏鈀1万円)×100台)の利益を計算してしまいます。これが危険なのです。
そのことと得意先や担当者別の情報を把握することとの関係が見えてこないのですが。
取引条件というのは、通常、得意先毎に異なります。また、同じ営業研修を受けていたとしても担当者毎に営業の方法が違うはずです。
なるほど、良い取引をしている得意先、担当者のやり方を学習するとともに、悪い取引しか出来ない得意先、担当者のやり方を改善するということですね。
そのとおりです。
こうすることで必ず良い結果が高い確率で出るようになるはずです。
また、今、条件が悪い得意先であっても、継続して取引する社内的な理由が明確になることで、その目的を早期に達成することが期待できます。
それと……。
少し過激な話なのですが…………。
過激な話って何ですか。
MIETAを通じて、取引データの数が1ヶ月で1,000件未満の会社は決算書を見ない方が良いという提案をしようと思っているのです。
えっ!!どうしてですか。
さきほど、お話したとおり、一つ一つの取引を経営者自らが判断して、改善していかなければいけないからです。
それでも決算書は見たほうが良いのではないですか。
見ないよりは見た方が良いかもしれません。より正確に申し上げると、中小・ベンチャー企業の経営者の方が決算書しか見ないで経営管理をするのを止めた方が良いということです。
どうしてですか。
決算書を見て何が判りますか?
そう言われると何かドキッとしますね。……でも、会社の経営状況が良いか悪いか判るんじゃないですか。
確かにそうですよね。でも、会社の経営状況が悪いということが判ったとしても、何をしなければいけないのかをすぐに把握して、具体的なアクションを起こさないと、その状況はなかなか改善されるということはありません。つまり、決算書情報の欠点は、分析結果から具体的なアクションに至るまでの距離感が長すぎる点にあります。
大企業なら、社長の下に、役員がいて、部長、課長、係長、平社員がいます。
こういう状況であれば、役員以下の方々が、それぞれの役職においてその問題を因数分解し、その距離を埋めてくれるから問題ないでしょう。むしろ、個別の取引を経営者が検証することが非現実的なので、決算書を見ることは有効な経営管理の手段だと思います。
一方で、中小・ベンチャー企業を想定した場合、社長以下の階層はほとんどなく、基本的にフラットに近い組織になっているはずです。そのような状況で、社長が決算書の読み方を勉強して、流動比率や自己資本比率に問題があるといっても、末端の社員の方はどうしていいか判らないことの方が多いと思います。それよりも、「この取引はここが悪いから次の取引はここを改善しよう」と社員の方に指示を出して頂いた方が効果的なのです。
そして、中小企業であれば、取引量が少なくそうした手法が可能なのです。
それはそうかもしれませんが、銀行は決算書を見て評価するのに、それでも大丈夫なのですか。
大丈夫です。中古のベンツを買わないとか(笑)無駄遣いをしないことが前提になりますが、営業キャッシュ・フローという日々の取引の結果の資金収支の金額が継続的にプラスになっていれば、必ず決算書の分析結果も良くなるからです。
ええっ!そうなんですか。
そうなんです。
そして、これがMIETAを作った理由であり、MIETAをお勧めする一番の理由なんです。
なるほど。キャッシュ・ブラウザでキャッシュの情報を把握するこということと、個別の取引を改善するというところが、ここで繋がるわけですね。そして、営業キャッシュ・フローが継続的にプラスになるように「経営管理」を行えば、経営状況は適宜改善され、決算書の評価も上がるということですね。
はい。そして、決算書を見なくて良いと言っておきながら何ですが(笑)、MIETAを使って頂ければ、誰でも上場企業と同じルールに従った会計仕訳が作成することができますので、これを利用して公認会計士による監査に耐えうる試算表や決算書を作成することができるのです。
そして、もう一つ、MIETAを前提とした新しい会計事務所のあり方についてお話させていただけますか。
得意先ごとにデータを追跡 新しい会計事務所のありかた