未成年者への贈与でも名義預金とは言わせない!生前贈与の正しいやり方

節税ソムリエの山口真導(なおみち)です。
 
今回は、税務調査で名義預金と見做されて贈与で失敗しないための注意点をご紹介します。
 
せっかく色々と勉強して贈与をしたとしても、今回ご紹介するケースに該当する場合は、生前贈与の相続税の節税納税資金の準備という二つの目的が達成出来ません。ところが、かなりの確率で失敗している人をみかけます。よく読んで失敗しないようにしてくださいね。 

名義預金とは何か?

預金口座の名義人とそこに預金するヒトは同一人物であるのが普通です。あなた個人名義の預金口座に他人が預金してくれることなど基本的にないですよね。

ところが、贈与のシーンになるとそうでもありません。親や祖父母が、子供や孫の名義で預金口座を開設し、その口座にセッセと預金するということがおきます。そしてこれが名義預金の典型的事例なのです。

つまり、名義預金とは、実際に預金しているヒトと預金の名義人が違う預金のことです。

子や孫名義の預金が名義預金と税務署に認定されるとになると、その預金口座に親や祖父母が贈与資金を振りこんでも、親や祖父母が自分の口座間で資金移動をしたことになり、相続財産は減らず相続税の節税効果はなくなり、かつ、無税ないし低税率での納税資金の移動ということも実現出来ないことになります。

ですから、贈与の目的達成のためには、名義預金にしない努力が求められるのです。

名義預金にしない方法

子供や孫が未成年の場合、名義預金にならざるを得ない。そう言って逆ギレする方もいますが、それは知識不足と言わざるを得ません。未成年者でも、極論、ゼロ歳からでも名義預金ではないと税務署に認めさせる方法が確立されています。その方法とは次の通り、シンプルです。

  1. 預金通帳、銀行印の管理は子と孫が行う
  2. 贈与の事実を子と孫に伝え、贈与契約書にサイン又は捺印させる
  3. 贈与に伴う資金の移動は預金口座間で実施する
  4. 子と孫が未成年の場合は、両親(親権者)が法定代理人として、通帳と銀行印を管理し、かつ、贈与契約書には子と孫のサイン又は捺印に加えて、両親(親権者)もサイン又は捺印する。

とくに4が重要です。これは実務上のノウハウではなく、法律(民法)に則った対応です。民法上、子供が未成年者の場合には、親権者が子供の財産を管理することになっているからです(民法824条)。ただし、この規定があるとはいえ、子や孫の預金口座があることや父や祖父から相続を受けていることはちゃんと話をしておいて下さい。

(参考)ーーーーーーーー
(財産の管理及び代表)第824条
親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
ーーーーーーーーーーーー

この民法規定があるとすると、逆に実際に名義預金になるケースというのが凄く少ない気がしませんか?しかし、この民法のルールを知らなかったとしたらどうなるでしょうか?税務調査で、通帳も銀行印も親が管理しているので名義預金ですと言われて、ちゃんと反論出来ないということになりますよね。

名義預金が問題になるのは相続税の税務調査の場面です。調査官は「問題ないのを解っていて」指摘してきます。ですから、税務調査でしっかり主張出来る様に、背景まで理解しておいて下さい。

 

さて、節税ソムリエがホームページでは絶対に公開しない節税の話をするのが、社長の手取りをトコトン増やすセミナーです。是非、お越し下さい。

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【参考】お子さん名義の口座が「名義預金」とみなされる5のケースと回避策 
 
 

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