代表ブログ
ついに始まった民間金融機関からの実質無利子・無担保融資（つなぎ融資と一本化が可能）
2020年5月1日から申し込み受付が始まった、民間金融機関からの実質無利子・無担保融資に関する情報提供をします。この制度を活用するポイントは「つなぎ融資」と「一本化」です。実質無利子・無担保融資以上の成果を、この制度から引き出して下さい。
公庫の「コロナ融資」との比較も交えて、その特徴について説明していきたいと思います。以降、詳細に書く必要のない部分については、読み易くするために「民間コロナ」「公庫コロナ」と省略して記載していきます。
１．民間コロナはセーフティネット保証4号、5号の上乗せ制度
まず驚いたのは、新しい制度として始まると思ったら、セーフティネット保証4号、5号に上乗せする制度として始まった点です。この制度を理解するうえでは、もっとも重要なポイントがココです。これから融資を受ける予定の方は、原則として、手続は変わらず、結果が実質無利子・無担保になるという風に理解頂けたらと思います。
保証料も半額又はゼロになるのも有り難いですね。
そうなると、既にセーフティーネット保証4号、5号の融資を受けた方が損をしたと思うかもしれませんが、安心して下さい。「借換」という形で金融機関が対応してくれることになっています。既に金融機関から連絡が入っていると思いますが、まだ連絡が無いという方は、取引先の金融機関に問合せをしてみてください。
それにしても、政府・役所は、既存制度にトッピングを乗っけるのがお好きなようですね。既存制度の正当性のアピールと上乗せ感を演出したいのかもしれませんが、雇用調整助成金もそうですが、既存制度に乗っけると手続にも屋上屋を架すことになって現場が混乱します。
実際、何が起きてるかというと、4月末までに実行したセーフティネット保証4号、5号による融資は、新らしい無担保・無利子融資への「借換」ということになって、金融機関の事務負担が増えています。その影響で新規融資の実行が遅くならないか心配です。公庫を含めて、金融機関の大部分はコロナの危険を感じながら、一生懸命取り組んで下さってますので、職員の方のストレスになるような行為、例えば、大きな声を出して不平・不満をいうのは控えましょうね。
２．つなぎ融資の利用が可能
そうはいっても、バカには出来ないメリットがあります。民間コロナ融資の凄いところは、パンフレットの真ん中に書いてあります。
スマホだと見難いと思いますので、文字で書くと次のとおりです。
※資金繰りが逼迫している場合には、まずは民間金融機関によるつなぎ融資を行い、このつなぎ融資を実質無利子融資に振り替えることが可能となる場合もございます。詳しくは各金融機関へご相談下さい。
なぜ、こんなに大事なことが小さく書いてあるのか？（大きく書くと殺到すると考えたのか？）定かではありませんが、それにしても扱いが小さいですね。
具体的には、民間金融機関の判断で保証を付けない融資（＝プローパー融資）を実行して、緊急の資金繰り難を回避したうえで、民間コロナ融資を受けて、その資金でプロパー資金を返済するということが出来るということです。これにより「対応が遅い」という問題を回避出来るケースが出てくると思います。
なぜ、この「つなぎ融資」が凄いかというと、プロパー融資を受けている会社が、保証付き融資を借りて融資の返済をすることは、原則として出来ないという「旧債振替の制限」というルールがあるからです。今回、その例外として上記のような対応が認められているのです。
この「つなぎ融資」を受けるためのポイントは、ただ一つ金融機関に「つなぎ融資をお願いします」と依頼することです。この依頼を受けた金融機関が保証協会に事前に打診を行いOKが出ると、金融機関はプロパー融資の審査を開始します。黙っていては受けられませんし、金融機関からしたらイレギュラーな対応になりますので、担当者レベルでいえば受けたくないオーダーだと思います。したがって、ハッキリと（出来れば書面で）依頼するようにして下さい。
３．民間コロナ融資の手順
セーフティネット保証4号又は5号を受けるにあたっては市区町村の認定証の取得が必要になります。これまで認定証の取得手続は、会社が直接市区町村に申請する必要がありましたが、民間コロナ融資の開始にあたって「金融機関によるワンストップ手続き」が開始しています（GW明けから各地で続々と対応する旨の告知がなされていますが、一部、対応していない市区町村もあるようです）
「金融機関によるワンストップ手続」を利用することで、取引先金融機関（既存の借入がある先、又は、預金口座を持っている先）に融資の申込をすれば、認定証の取得から保証協会への審査手続、そして融資の実行まで一気通貫で対応してもらえるので、この方法で申し込みするのが良いと思います。
とはいえ、平時と違って、業務多忙のため、認定証の作成までは依頼出来ないと思います。ご自身で法人登記のある市区町村のホームページから認定証の雛形や記載例をダウンロードして、書類の作成をする必要があることには代わりがないとお考え下さい。しかしながら、提出する前に、銀行の担当者に書類を確認してもらえるので、書類不備による手戻り等は大幅に減り、融資までの期間短縮に繋がると思います。
３ｰ１．民間コロナを申し込める取引先金融機関が無い場合
預金口座は都銀の口座しかもっていなくて、地域金融機関に取引先金融機関がない場合、民間コロナ融資を受けるハードルが一気に高くなることが想定されます。その場合は地域金融機関に預金口座を開設するところからスタートです。最短で預金口座を作るために、最低でも下記の書類を持参して、一気に口座開設の審査を進めてもらえるようにしましょう。
- 運転免許証のコピー
- 直近2期分の決算書（申告書、決算書、科目内訳書）のコピー
- 登記簿謄本（原本）
- 会社概要（パンフレット、HPを印刷したもの）
決算書に関して、科目内訳書を持参するのを忘れないようにして下さい。預金口座の開設の審査は何をしているか？というと反社会的勢力との関係がないかの調査がその中心になります。科目内訳書をみると、取引先の情報が分かりますので審査がスムーズなのです。会社概要に関しては、パンフレットやHPを印刷したものでも良いのですが、公庫から借入をしているのであれば「会社概要書」という書類を作っていると思いますので、その書類を持参するのも良いと思います。とにかく何をしている会社かを伝えられる書面を持参すると、担当者が稟議を書く際に手間が省けるので喜ばれると思います。
出来れば、コロナ融資が出たら、格好つけるのは止めて、身の丈にあった地域金融機関と真剣に付き合うように改心して頂きたいです。アフターコロナ、ウィズコロナのために必要なことだと思います。
４．公庫のコロナ融資との比較
公庫のコロナ融資との比較をすると次のとおりです。（民間コロナの表はセーフティーネット保証5号を前提に記載しています）
ご覧頂くと、両者の制度が、かなり似通った制度になっていることがご理解頂けると思います。公庫コロナの場合、保証料がかからない分、金利が高めになっていますが、民間コロナの場合には保証料ゼロもありえるのでコスト面で有利になる場合もありそうです。
また、既存融資の一本化というのは、コロナ融資によって、既存融資の残債を返済して借入契約を一つにすることです。一本化した方が、既存融資の返済期間の引き延ばしになって返済が楽になりますので、わたしはお客様には一本化をお奨めしています。一本化についても、つなぎ融資と同様に、こちらから申し出ないとやってもらえません。借入申込書の金額欄の前に「一本化を前提として」という風に書いて出しておけば間違いないです。
５．すべての連帯保証がハズレる可能性もあり？！
これまたパンフレットに小さく書いてあるのですが、民間コロナの場合、代表者が保証人にならなくても良いケースが記載されています。
要件の一つめの「法人・個人分離」とは、端的にいえば、法人から役員個人への貸付がないということです。二つめの資産超過とは、債務超過の反対です。この二つを満たすと代表者保証を付けなくても、民間コロナ融資を受けることが可能です。
そして、ここがとても重要なのですが、民間コロナ融資を受ける際に、既存融資と一本化することで、既存融資で連帯保証をしていた代表者であっても借換後には既存融資の借換部分についても連帯保証を求められない可能性があります。可能性があるということは、その希望を間違いなく相手に伝えることを忘れない！ということが大事になりますので、どうぞ、皆さん、お忘れ無きようお願いします。
６．民間コロナと公庫コロナのダブル融資の可能性
既に、公庫のコロナ融資を受けている方も多いでしょう。そうなると気になるのは、民間コロナと両方ダブルで融資を受けられるかどうか？だと思います。
両方ダブルで融資を受けることは可能です。民間コロナと公庫のコロナは全く別の制度ですので、片方を受けたからといって、もう片方が受けられないということはありません。但し、仮に100％の保証がついているとしても金融機関側は返済可能性ということを考えないわけではないので、片方のコロナ融資で充分に資金が足りていて、民間コロナで融資を受けた場合、返済負担が重そうだ、と判断されれば、融資実行額の減額がされる可能性はあると思います。より沢山の融資が受けたい場合は、その資金が「必要な理由」と「返済出来る根拠」を文章化して伝えられるようにしましょう。
７．民間コロナ融資のまとめ
公庫が申し込み殺到でパンク寸前のようです。そう考えると短期間で資金調達出来る民間コロナ融資の存在は頼もしいです。また「つなぎ融資」の可能性も最初から表明されているので、近々の資金繰りに悩んでいる方は、民間コロナ融資の申し込みをして頂くのが良いと思います。
弊社は民間コロナ融資のお手伝いをしています。通常の融資の場合、融資額の３％〜５％を成功報酬として頂いています（着手金あり）。コロナ融資に限っては２％で対応いたしますので必要な方は下記メールアドレスへお問合せ下さい（お引き受けするかどうかは直近2期分の決算書（申告書＋決算書＋科目内訳書）を拝見して決めさせて頂きます。また着手金として成功報酬の半額を事前にお支払い頂きます。予めご了承下さい。）。
問合せ先：info@accountax.co.jp
コロナ対策のまとめ記事として下記を書いていますので、こちらも参考になさって下さい。
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