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レシートを会計処理する場合の難しいところ~会計事務所職員の嘆き~
公認会計士・税理士の山口です。
全員とはいいませんが、社長さんって、会計処理って誰でも出来るって思ってますよね。世間的にAIに置き換わる可能性の高い仕事なんていう風にもいわれています。
そんなカンタンといわれる仕事の一部を、皆さんのお好きな「交際費」を題材に今日はご紹介したいと思います。会計処理をするうえで、経営者の皆さんが使っている、経理部員、会計事務所職員が、どの経理処理しているのかを把握頂けたらと思います。
1.基本は1レシート1取引
普通に皆さんが想定されているのは、こんな感じのレシートの処理でしょう。(お菓子は贈答用です)
こんなのばっかりだったら何の問題もないんでしょうが、こういうのばっかりというワケにいかないのが現実なんです。
2.1レシート2取引になる事例
コンビニなんて何でも売ってますからね。こういう買物が普通にされるわけです。そうなると、当然勘定科目を分ける必要があります。
レジ袋を按分するのが本当は正しいのでしょうが、弊社では交際費があればそこに含めるルールで処理しています。交際費は800万円の枠がありますが、その枠をレジ袋で使ってしまってすいません。このくらいなら、まだカンタンな部類でしょうね。
3.1レシートが1取引なのに2仕訳になる事例
しかし、現実にはこういう取引があります。
両方とも同じく交際費なのですが、商品券は消費税の対象外でその発行手数料は課税取引ということがあります。この場合は取引は1つですが、明細を2つにわけなくてはなりません。
はたまた、皆さんお好きなゴルフをすると、ゴルフ場利用税なる税金がかかります。
本来、税金を支払った場合は「租税公課」という科目で処理します。しかし、交際費は支出の目的による分類ですので、ゴルフ場利用税は形式的には租税公課であっても交際費で処理することが求められるのです。しかし、消費税の区分は租税公課で処理する場合と同様に「対象外」になります。
それと最近こういうレシートも増えました(ジューズは贈答品として購入したものです)。
そう軽減税率というものです。こちらも消費税の税率が違うので1つの取引でも2つの仕訳を作る必要があります。全国の会計事務所職員、経理関係者が、軽減税率を導入した人を恨んでいます。いっぺん実務をやってみて欲しいですね。
今日は分かり易くするために単純な例だけを用意しましたが、現実は、これらが組み合わさって複合的に色々な取引が発生します。問題は、冒頭の単純なパターンが一番多いのですが、その中に複雑なのが潜んでいるということです。そのため、我々は目を懲らしてレシートと睨めっこをする必要があります。
4.どうせバレないって思っていても仕事は真面目に誠実に。
もしかして、ここまで読んで自己満足に浸ってんじゃねーと怒っている社長もいるでしょう。そんなんテキトーで良いんだ!って、昔言われたこともあったような気もします(その社長のことと一緒に記憶から消し去りましたが)。
なぜ、こんなに細かい処理をするかといえば、税金を一番安くするためです。消費税の処理を間違えたのを税務調査で指摘されて修正申告をすれば、過少申告加算税というペナルティーがかかって、追加で納税する額は1割増になってしまいます。適正に処理するときには発生しないコストが不適切な処理では発生してしまいます。
そして、その時、お客様は怒ります。テキトーで良いんだって人の方が激しく怒ります(笑)
また勘定科目を適切に処理することで交際費の枠も有効活用することが出来ます。節税対策を考えるうえでも、適正な処理で作成した着地見込が土台になりますので、日々の取引の適正化はバカにならないのです。
一生懸命やらずに、今回の事例の全てを全部、交際費+消費税は課税(10%)で処理したところで、経営者の皆さんは気付くこともないでしょう。安い報酬しか頂けないなら、レシート1枚=1仕訳で処理する誘惑に負けてしまうかもしれませんが、幸い、わたしどものお客様は、こうした作業の手間を理解して下さるので、安心して正しい処理をすることが出来ています。
ちなみに、最近出てきたAI仕訳のシステムだと、レシート1枚を1仕訳で処理してくれています。弊社では、それを人間が直してますw
ここまで読んで、もし、自分の会社の経理処理が不安になったら、一度、交際費だけでも総勘定元帳をご覧になってみてください。不安でなくても、たまには交際費だけでも総勘定元帳をご覧頂いて、経理担当者の苦労の跡を確認頂けたらと思います。そして、ひとこと「お疲れ様」と言って頂けたら、うれしいです。
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こうした経理の土台作りは日々コツコツ積み上げていく必要がありますが、節税対策の最新情報は、わたしのセミナーに参加すれば2時間でカンタンに手に入ります。お時間あるときに是非参加してください。
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