コロナ禍の税務調査対応の留意点

公認会計士・税理士の山口です。

コロナ禍で実施されていなかった税務調査が、10月からいよいよ開始となります。

日経新聞の記事「コロナで中止の訪問税務調査、国税が10月から再開」によると、9月23日から事前通知が開始しているとのことです。10月から臨場調査開始とのことですので、かなり急ピッチで進めているようです。

税務調査は受ける義務(受忍義務)がありますので、コロナ禍においても、「原則」断ることが出来ません。しかし、家族に高齢者の方がいる方や、ご自身が高齢だったり、持病のある方は、遠慮せずに、その旨を伝えて頂くことが必要と思います。

ただし、今回、断ることが出来たとしても、いずれは税務調査は受けることになります。税務署内では、法人であれば10年に一度は税務調査か、それに準ずる接触をするというルールがあるそうです。

そこで、いますぐコロナ禍の税務調査を受ける人にも、いまは延期を申し入れる人にも役に立つ、税務調査対応の留意点をお伝えします。

1.会計帳簿等の持ち帰り問題

日経の記事によると、コロナ禍の間は臨場の時間を短縮するようです。そうなると調査の進行が遅れるので、調査官から資料を持ち帰って税務署内で調査をしたいという要望が出るでしょう。資料を持ち帰りたいと言われた場合、どのように対応すれば良いでしょうか?

まずは断りましょう(笑)。

実は調査に協力しないと罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が科されることになっています。しかし、一般納税者用の「税務調査手続に関するFAQ」には、罰則があるからといって強制的に資料を回収するのではなく、その必要性等を説明して、納税者の方の理解と協力の下、その承諾を得て行うこととしています。

一番してはいけないのは、言われるがままに資料の現物をそのまま渡してしまうことです。実は、預かった資料の返却期限に関して法律に定められておらず「遅滞なく返却」というルールですので、法律上は、半永久的に帰ってこなくても「調査中」で済んでしまう建付です。

したがって、現実的な対応としては、調査に必要な最小限の資料の「コピー」を渡すことになります。調査官にどの資料を渡したかを管理するためにコピーは2部とって1部は会社で保管して下さい。そうしないと、以後のやりとりでお互いに何の話をしているのか?が噛み合わなくなってくることもあります。

調査に必要かどうかは、「どうしてこの資料が必要なんですか?」と聞いて確かめていきます。調査官としては、コロナ感染のリスクもあるので、出来るだけ沢山の帳簿をゴッソリ持って帰りたいと思いますが、一つ一つ必要性を検討しながら、かつコピーをとって渡すとなると、持ち帰れる資料も限定せざるを得ません。

そうなると、渡した資料の範囲内で調査が進行していくことになるので、調査を受ける側としても、調査の進捗もある程度管理出来るので、調査終了に向けて、安心して対応出来ると思います。

2.税務調査は税理士に丸投げ出来る

コロナ禍とは関係ない話ですが、そもそも税務調査で大変なことになりたくないなら、税理士に丸投げすることをお奨めします。あなたがその気になりさえすれば、今から私に丸投げすることすら可能です。(引き受けるかどうかは別の話にしておいて下さい(笑))

税理士は、税理士法第二条によって税務調査に関して社長を代理する法律的権限をもっています。税務代理権限証書という書類を作って税務署に提出すれば、その時から、税理士はあなたの代理人になれます。代理人ということは、税務調査対応ではその税理士が「あなた自身」ということです。
何十年も連れ添った顧問税理士が頼りない時は、強力な助っ人を急にスカウトしてくることが可能ということです。しかも、代理人は何人いても良いので、長年お世話になった顧問税理士を契約解除する必要もありません。

そんなことをしたら円滑な税務調査が阻害される、と心配するかもしれませんが、税務調査が円滑に進むかどうかで困るのは、あなたではなく調査官の方ですから、その発想の段階で負けています。とはいえ、自社に対する理解が少ないことを心配されるのも無理ないと思います。

しかし、税務調査はあくまでも日本全国共通適用の税法に照らして適正に納税されているかどうか?を確かめる手続です。また、帳簿は世界共通言語である複式簿記で記録されていますので、急に税務調査の立会を依頼されたとしても、税理士側は、皆さんが心配するほど、大きな問題とは感じていません。

ちゃんと帳簿が付けられていれば、どの専門家に頼んでも対応可能です。(ちゃんと帳簿が付いていない場合は、付いていないなりでお許し下さい。)

大変恐縮ですが、税務調査に詳しく無い社長や経理が積極的に税務調査に関わるから、税務調査がややこしいことになります。まずは顧問税理士に丸投げする。その顧問税理士が頼りないなら別の税理士に頼んだ方が良いです。

ややこしいことになってから依頼や相談が来るのが普通ですので、その点、是非、ご注意下さい。

3.税務調査対応の判断基準が知りたい社長へ

顧問税理士以外に依頼するかどうか判断に迷う場合は、ビズ部の「すべての起業家に捧ぐ!税務調査対応完全マニュアル」をご覧下さい。ここにわたしの税務調査対応について公開出来る範囲で公開しています。

3ヶ月かけて書いた大作ですが、あまり読まれていません(T-T)。アクセス数の割には、はてなブックマークが多いので、巷の情報の中では質が高い方だと思います。

弊社の場合、そもそも節税対策をしているお客様が多いので、あんまり利益が出ていません。したがって、わたしのお客様は、あまり税務調査を受けることがありません。節税対策をしないで気前よく利益を出しているから税務調査が来るんです。調査官の目線で考えたら当たり前のことですよね。(そういう意味では、ひよっこ税理士が偉そうなことを色々書いて、どうもすいません。)

税務調査の恐怖を感じることが好きなら別ですが、ただ税金を賢く減らせれば良いだけなら、わたしのセミナーにお越し頂きたいと思います。

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16時開始18時終了
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懇親会に不参加の場合:10,000円
 
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Zoom(オンライン開催)
 
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【ビズ部の近況】
こんな記事を書いて欲しい ということがありましたら、
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【紹介コーナー】
今回もお休みします。
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【編集後記】
 
相続税の節税対策のすべて!の
リストが9割がた完成しました。
 
これからビズ部で
それぞれの節税対策を記事化していきます。
現段階で40個ありますが、
1個減らして39にしようか?と思っています。
 
ヨンジュウよりサンキュー
って感じで(笑)
 
完成したら
小冊子として
ダウンロード出来る様にしますので、
期待していて下さい。
 
ネットで検索しても、
これだけまとまっているものはありません。
 
何より
「社長の相続税対策」
というのが唯一無二の存在です。
 
わたしが法人税の節税対策で
バズってから早くも7年経過しました。
 
今度は相続税でバズってみようか?と
思っています。
 
 
それでは、またお会いしましょう
キャッシュ・イズ・キング!!
 

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