無担保・無利子(無延滞税)になる納税猶予(コロナ特例)について

納税猶予の申請を検討されている方は、国税局猶予相談センター(都道府県別)にお電話ください。

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猶予を憂慮している公認会計士の山口です。

コロナ融資を申し込んでも着金まで2〜3ヶ月待ちです。したがって現実的な資金繰り対策は「支払を止める」ことです。支払を止めれば、資金繰り上は融資と同じ効果が得られます。支払うかどうかは支払う側が決められます。コロナ融資の着金を待っている時期こそが、この支払側の権力を発動すべき時期です。

それは納税についても同じことがいえます。

通常の経費の支払いであれば、手続的には振込手続きをしなければ良いだけで、あとは個別に取引先との交渉ということになりますが、納税については、納税を単純に止める前に、これから説明する手続をしておくことをオススメします。この手続をしておけば特に税務署と交渉をすることなく、1年間は無担保・無利子(無延滞税)で納税を先延ばしに出来ます。

1.従来の納税猶予について

コロナ以前から、一時に納税をすることにより事業の継続や生活が困難となるときや、災害で財産を損失した場合などの特定の事情があるときは、税務署に申請すれば、最大1年間、納税が猶予される制度がありました。

この制度を利用するための要件は、

  1. 一時の納税により事業の継続や生活が困難なおそれがある
  2. 納税について誠実な意思がある
  3. 納期限から6ヶ月以内に申請がある
  4. 猶予を受けようとする国税以外に滞納が無い

などです。

申請により、納税の猶予が認められると、原則として1年間納税を先延ばしに出来ます(資力に応じて分割納付となります)。期限までに納税出来なければ通帳は延滞税という利子相当のペナルティーの支払いが必要になりますが、納税猶予が認められれば延滞税の支払は必要ですが負担は軽減されます。例えば、令和2年中の延滞税の通常の税率は年8.9%ですが、これが年1.6%になります。

2.納税猶予のコロナ特例(無担保・無利子)について

今回、新たに作られたコロナ特例では、新型コロナウィルスの影響で次の2つの要件の両方を満たすと、令和2年2月1日から令和3年1月31日までに納期限が到来する国税について、従来の納税猶予制度と同様に1年間納税を先延ばしに出来き、かつ、延滞税がゼロになります。

  1. 令和2年2月以降の任意の期間(1ヶ月以上)において、事業にかかる収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること
  2. 一時に納税することが困難であること

いまコロナの影響で資金繰りが苦しい会社が納税猶予を受けるなら、この特例の一択といって良いでしょう。

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3.コロナ特例を受けるために必要な手続

コロナ特例を受けるためには、「納税の猶予申請書」を所轄の税務署(徴収担当)に提出する必要があります。

この特例制度が出てきたのは5月からです。2月から既に納税をストップして従来型の納税猶予の適用を受けている方もいると思いますが、自動的に特例が適用されるわけではないので注意して下さい。既に納税猶予を始めている会社は令和2年6月30日までに申請書を提出すれば遡及して特例の適用を受けることが可能です。

令和2年6月30日を過ぎてしまってから、この記事をご覧になった方は、いま落胆されていることと思いますがご安心下さい。従来型の納税猶予は間に合う可能性がありますので、諦めずにそちらの申請を行って下さい。その申請日から遡って6ヶ月以内が納期限の納税について、従来型の納税猶予の適用を受けることが出来ます。早く出した方がトクということです。

4.コロナによる申告期限の延長と納税猶予のコロナ特例との関係

コロナの影響による申告期限の延長については、特に事前に申請書を提出する必要はありません。申告書の欄外に「新型コロナウィルスによる申告・納付期限延長申請」と記入して提出することになります。

この記載をして申告書を提出した場合、その申告日が納税期限日になります。この申告期限の延長の期限は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、申告・納付ができないやむを得ない理由がやんだ⽇から2か月以内の⽇」とされています。「やむを得ない理由がやんだ日」の一つの目安は非常事態宣言が解除された日になるかと思います。(政府は、解除後も在宅勤務をするように言ってますので、どう解釈すれば良いかは悩ましいところです。)

申告期限を延長した結果、申告書の提出は出来たが、資金繰りの関係で納税が出来ない場合は、納税猶予の特例の申請をして下さい。延長した申告書を提出するときに同時に申請書を提出すればOKです。

5.地方税の取扱(東京都の場合)

地方税に関しても国税に準じて申告期限の延長の納税猶予の制度があります。しかしながら、納税猶予に関しては、国税と一括というわけにはいかず、地方税は地方税で申請をする必要があります。東京都の申請書を確認しましたが、フォーマットは国税とほぼ一緒でしたので、国税の書類が完成したら、それを書き写せば良いでしょう。

6.納税の猶予申請書の作成について

納税猶予の申請書は国税庁のホームページからダウンロード可能です。

記載例を下記に貼りますが、入力すべき情報が多くて、作成はかなり大変です。顧問税理士に依頼出来なければ、国税局猶予相談センター(都道府県別)に電話して、作ってもらうようにして下さい。国税庁側も作成が難しいのは承知のうえで、電話で聞き取って作成するという風に申請書自体に書いてあります。遠慮無く、国税庁のご厚意に甘えて頂けたらと思います。

しかし、個人的には、電話でわざわざ聞き取って適当な申請を認めるなら、最初から簡単なフォーマットにしたら良いのにと思います。色々仕方がないのでしょう。

6.納税猶予のコロナ特例を利用するにあたって気を付けること

最後に、納税猶予を利用するにあたっての注意事項をお伝えします。

まず、この制度は猶予であって免除ではありません。少なくとも現在(2020年5月22日)のルールでは、1年経過後には少なくとも分割での納税の必要があります。また分割納付中の未納部分には延滞税が発生します。恐らく、1年後には追加の救済措置が出てくる可能性が高いとは思います。しかし、猶予を利用せずに納税している法人・個人がある以上、納税免除ということは無理だと思います。その意味では、冒頭、借入の代わりに納税猶予という話をしましたが、納税猶予は現実的には国税から借入金ということです。借入をすれば利息の負担(=延滞税)が発生するのは当然のことです。正しく理解して賢く使って下さい。

次に、新規の借入や補助金、助成金の申請への影響が出る可能性があります。これらの申込を行う際には、漏れなく納税証明書を添付する必要があります(少なくともこれまでは)。猶予している税金は納税証明書上「未納」あるいは「猶予」として表示されると思います。これまでは未納の税金があると、新規の借入や補助金、助成金の受給は出来ませんでした。ですから、猶予した税金の納税は、支払の優先順位を高めに設定する必要があります。(反対に銀行への返済は優先順位は低いです。逆にするから大変なんです。絶対に間違えないで下さい。)

最後に、コロナ融資と納税猶予を併用すると、コロナ融資の毎月の返済額+猶予した納税の支払額が、支払い不能なほど高額になる場合があり得ます。目の前の資金繰りを回して最悪の事態を回避するためには、先のことを考えずに猶予を実行するべきですが、不必要に猶予を利用することは避けるべきです。コロナ対策が落ち着いたら、早めに毎月の返済と納税額の試算をするようにしましょう。

 

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今回もお休みします。
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【編集後記】

ついに持続化給付金が
入金されてきたという
連絡が昨日入りました。

5月2日に申請したので、
日数でいうと19日
営業日でいうと10日かかりました。

2週間以内という
触れ込みでしたので、
噂通りでした。

日頃お世話になっている
顧問先様の申請のお手伝いなので
無料で対応ですが、

売上が半減している中で、
少しでも貢献出来て
良かったです。

 

それでは、またお会いしましょう
キャッシュ・イズ・キング!!


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